2013年05月30日

生産者側から見た茶草場農法

生産者側から見た茶草場農法

新聞や行政では一般的な内容の記事が掲載されていますので、歴史もふまえた生産者側から見た世界農業遺産の茶草場農法を紹介したいと思います。

登録にあたり、「静岡」のと唱っていますが、実際は「東山」のと差し替えていただいたほうがありがたいです。

「東山茶」は「掛川茶」に次ぐ地域特産商標登録を取っています。

それは、茶草農法を行っているお茶の意味も表しているからです。


以降は富士東製茶HPのトップにも掲載いたしました。


はてな茶草場農法のはじまりははてな

もともとは家の屋根葺きをするために刈り取る茅場(茶草場)が農法の始まりではないかと言われています。

共有地の茅場では共同使用料(茅無尽)の記録が残っています。

富士東管内の大久保側(3,4部)は粟ヶ岳山頂、寺の段(5部)は長尾の茅場を刈り取るように決められていました。

その当時は茅葺きの残りを茶園に敷いていたのではないかと推測します。

現在のように茶園もそんなに多くなかったわけですのでそれで十分賄えたのではないでしょうか。

昭和初期には屋根に瓦が使われるようになり、刈り取った茅が茶園に敷かれるようになりました。

他地域では植林され、時代とともに無くなってしまった茅場が東山では今でもあちこちにあります。

粟ヶ岳の土質は岩などが砕けた砂利のような土質のため保水力が強くありません。

保水力を得るために草がふんだんに使われるようになったことが農法の伝統を引き継ぐ要因でもあります。



はてなどうして東山ばかり取り上げられるはてな

この農法が組織立って100年以上継続的に行われている地域は粟ヶ岳山麓に位置する東山だけなのです。

東山には協同工場が3工場、自園2件ありますが、組織ぐるみでこの農法を取り入れています。

周辺地域も併せて登録になりましたが、それは一部の篤農家がこの農法を行っているだけにとどまっています。



はてな草を敷くことが茶草農法はてな

草を刈り取り、茶園に敷くことで品質を上げる努力をする。

その結果、刈り取られた草刈り場に希少な動植物が住みかを得ている。

これが茶草場農法の神髄です。

東山は秋の七草がすべて自生する日本でも唯一の地域であり、絶滅危惧種のカケガワフキバッタとフジタイゲキの生息地にもなっています。

この他にも周辺地域ではあまり見られない植物が多く見られることがわかってきました。

また、近年問題になってきた地球温暖化要因の二酸化炭素(CO2)。

ススキをはじめとする茶草場の植物はCO2吸収量が高く、茶園土壌の炭素貯留量が多いという調査結果が出ています。

毎年刈り取ることでCO2の吸収量をより高めることにつながっています。



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粟ヶ岳山麓は希少生物の宝庫。
茶草農法でおなじみ深むし茶のふる里・富士東(ふじとう)製茶農協のスタッフからです。

お茶てんのやま販売開始!
お茶たいへんお待たせしました!
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HP http://www.awantake.com/
FB http://facebook.com/fujitoh

世界農業遺産の登録、ありがとうございました。
http://ourworld.unu.edu/jp/the-green-tea-ecosystem-of-shizuoka/
なぜ登録されたのか?研究者による作成のvideoをごらん頂けます。

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Posted by ☆FUJITO SEICHA☆ at 15:18│Comments(0)茶園管理
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